大迫傑選手走り分析
「おおさこ」と聞くと「はんぱない」を連想される方が多いと思いますが、そちらはサッカーの大迫勇也選手です。
もちろん大迫勇也選手も凄い選手なのですが、もう一人の大迫選手も凄いです。
その大迫選手は2018年シカゴマラソンで日本人初となる2時間5分50秒の記録を出し、日本記録を更新しました。
そこまでマラソンに詳しくない方でも日本記録更新した大迫傑選手のことは知っている人が多いのではないでしょうか。
そんな男子マラソン日本記録保持者の大迫傑選手の走りはフォアフット走法と言われ、走る際の着地がつま先で行っていると話題になりました。
つま先で着地する走法については過去のブログ「フォアフット走法」をご覧頂くとして詳しい説明は省きますが、テレビで言っていることが全て正しいと思わない方がいいでしょう。
賢い人は世の中の異変に気付いて色々なことを調べている方が増えてきているようで、フォアフット走法についても「フォアフット走法はつま先からなんて着地していない」「フォアフット走法ではなく、ミッドフッド走法だ」なんて言う人たちも出てきているようです。
日本人は1つの事に目を奪われれやすいようで、朝食にトマトを食べると痩せられるとテレビで放映されたら翌日のスーパーにはトマトがなくなるという現象が当たり前のようにあります。
四角い箱の中に映し出された映像に釘付けになり、有名人が言う事ややっていることは全て正しくて良い物と思ってしまいます。
テレビの影響力は凄いですね。
大迫傑選手のフォアフット走法の影響も凄いようで、多くのランナーが走りを真似しています。
もちろん大迫傑選手の走りは素晴らしいのですが、現在の走り方になるまでに過酷な練習をして様々な工夫をしてきたことを見逃してはいけません。
テレビは凄い記録を出した選手に対しては寄ってたかって褒め称えますが、記録を出さなくなるとまったく相手にしなくなります。
そんな身勝手なテレビ関係者の人たちに翻弄されて人生が崩れていった選手は一人や二人ではありません。
今や記録を出し続けている大迫傑選手は絶対にそのようにならないで欲しいと強く願います。
そしてこれからも活躍して欲しいと願っています。
そのように願っているからこそ今回のブログでは大迫傑選手の走りを分析したいと思います。
まずは以下の動画をご覧ください。
人間は「今のままで良い」と思った時点で成長出来なくなります。
人間が成長する為には、常に上を目指し、自分に悪い所はないか調べて、それを改善する努力を毎日することです。
時には過去に自分がやってきたことに間違いがあるかもしれません。
それを素直に認められる人は確実に成長するのですが、なかなか認められない人が多いようです。
実は、10~20代の頃の私はそんなタイプの人間でした(笑)
勤め人の頃は上司や先輩に認められる為に必死で働き、同期や後輩に自分の弱さを見せたくないという一心で、ちょっとしたミスや間違いを起こさないように常にピリピリした状態で生きてきました。
上司や周りの人に認められる為に生きるのって本当に大変でしたが、それがその時は楽しかったので良かったのですが、ただ今は誰かに認められる為に仕事をしていないので考え方も変わりました。
人は誰でも間違いやミスをする、その間違いを素直に認めてその都度やり直す。
するとその後思ってもない事が起きて凄く成長できて楽しくなります。
そのようなことが1回や2回ではありません。
ちゃんと間違いを認めれば確実に成長出来ると私は確信しています。
ですので、私は常日頃から自分の中に間違った考えがないか探しながら生きています。
話が大迫傑選手の走りと関係ないようになっていますが、大迫選手も同じように常に自分の競技能力を高める為に考えているようです。
動画内では大迫選手がある課題を挙げています。
その課題とは走っている時に「上に飛んじゃう」らしいのです。
確かに大迫選手の走っている姿をみると前へ伝わるはずの推進力が上へ逃げているように見えます。
この原因を動画で私なりに分析したのですが、大迫選手の見解とは相違がありました。
大迫選手は疲れてくると上体が後傾してしまうので、前傾姿勢を維持できるようにウェイトトレーニングで背中の筋肉を重点的に鍛えたそうです。
背中の筋肉を鍛えるという発想はとても良いのですが、「前傾姿勢を維持する為」に背中の筋肉を鍛えるのはおかしいのではないでしょうか?
そもそも背筋は上体を後ろに反らす為に使われる筋肉です。
というか、今の走りの姿勢はとても良い状態なのでわざわざ前傾にしなくていいと思います。
むしろ背中を鍛えて、上体を後ろに反らす力を作り出していった方がいいでしょう。
それと同時に下半身の使い方を変える必要があると思います。
今は走っている際の接地時に膝が屈曲した状態で行われています。
この状態で接地すると股関節の伸展が制限されストライドが小さくなり、前へいくはずだった推進力が上へ逃げていきます。
これが課題の「上に飛んじゃう」ではないでしょうか。
この問題を解決するには、もう少し踵を使った方がよいでしょう。
世界一のランナーであるファラー選手は踵の使い方が凄く上手です。
腰で踵を扱い、その力を地面にしっかり伝え、背中や股関節の伸展がしっかり出ています。
これが両足ともに出来ているので本当に凄いです。
だからこそ、10000mレース終盤の100mで周囲を寄せ付けない伸びのある走りが出来るのでしょう。
大迫選手もファラー選手を参考にしてランニングフォームを組み立てているように見えますが、そのままやっていくべきでしょう。
ただ、それをするには腰で踵を扱えるように練習する必要があるでしょう。
フォアフット走法はつま先以上に踵の使い方が凄く大切なポイントになります。
アキレス腱が付着する踵を馬鹿にしてはいけませんよ。
踵の感覚をもっと高めると確実に走りは伸びていくと思います。
あとは、膝を曲げて進む意識をなくした方がいいでしょう。
膝はあくまでおまけに過ぎません。
腰と背中で作り出した力を踵に伝えて地面を押し推進力を得て、その惰性で膝が動くくらいの感覚でいいと思います。
そうすると足の接地位置がファラー選手と同じような後方の位置に変わっていきます。
なんて、本人がこのブログを読む前提で書いてしまいましたが、まー読むわけないですよね(笑)
もし本人がこのブログや動画を見たらどのように思うのか楽しみです。
とはいえ、大迫選手の走りを真似したいと思っている人は多いと思いますが、フォアフット走法をつま先から着地するものだと勘違いしてやらない方がいいでしょう。
その勘違いでふくらはぎや膝を傷めている人が後をたちません。
大迫選手のような走りを手に入れるには、まずは自分の体の軸を知りましょう。
体幹だけでなく、体の軸がどこにあるのか?
接地どうこう考える前に体の軸を知ってから走る練習をすることをお勧めします。
詳しくは「体の軸を知る方法」「体の軸を鍛える方法」をご覧ください。
非常に簡単ではありますが、大迫傑選手の走りの分析でした。
もしかしたら見当外れかもしれませんので、これも全て鵜呑みにせずご自身でしっかり考えてくださいね。
それでは、またの更新をお楽しみに!