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間違いだらけのウォーミングアップ

間違いだらけのウォーミングアップ

 

運動前に欠かせないウォーミングアップですが、皆さんは正しく出来ていますか?

 

約10年前の話になりますが、私はプロサッカーチームでトレーナーをしていました。

 

トレーナーは一流選手たちが怪我をしないようにサポートすることが仕事です。

 

その為、私は選手が怪我をしない方法を先輩トレーナーから聞いたり、医学書を読んだりして物凄く勉強しました。

 

しかし、いくら勉強しても選手たちの怪我を防ぐことが出来ませんでした。

 

肉離れや捻挫、膝の半月板損傷、腰痛や寝違いなど様々な怪我を選手たちはしました。

 

厳しいプロスポーツの世界は、たった1回の怪我が命取りになります。

 

シーズン前のキャンプで怪我をして、その怪我を引き釣り年間を通して良いプレーが出来なかったり、今までスタメンで試合に出続けられたのに、たった1回の怪我で他の選手にスタメンの座を譲り渡し1年後には所属チームから戦力外通告を受けクビになったり、一般社会で働く人からした考えられないほど厳しい環境です。

 

そんな選手の為に怪我をさせない努力を惜しまず行うのがトレーナーの仕事です。

 

そんなトレーナーの仕事をしていた私が言います。

 

私が選手たちに教えていたウォーミングアップには、明らかな間違いがありました。

 

だからこそ、選手たちの怪我を未然に防ぐことが出来なかったのです。

 

今回のブログでは私が間違っていたウォーミングアップについて書いていこうと思います。

 

運動する人もしない人もぜひ最後まで読んで頂き、自分自身の知識に間違いがないか点検してくださったなら幸いです。

 

 

海外では通用しない

 

私が間違っていたウォーミングアップですが、まず初めに海外では通じないということです。

 

海外では通じない?

 

どういうことかというと、ウォーミングアップという言葉は和製英語であり、海外では通じない英語ということです。

 

詳しくは「ウォーミングアップは和製英語!正しい英語を覚えよう!」をご覧下さい。

 

ついつい言ってしまうウォーミングアップという言葉ですが、そもそもその言葉自体に間違いがあったなんて・・・私はなんてことをしていたのでしょうか・・・。

 

たった一言が人を変えるので、私は間違った事は言わないように常日頃から気を付けていたつもりだったのですがダメですね。

 

子供たちに運動を教える指導者として、もっと言葉の間違いを減らしていかなくてはいけません。

 

先ほどの紹介した記事によると正しくは、ウォームアップだそうです。

 

私は小学校の勉強もろくにしてこなかったバカな人間なのでこんな小さなことにも気付けませんでしたが、大学も卒業されて勉強もたくさんしてきた方々はこんなことは当然ながら知っていましたよね?(笑)

 

もし知らなかったという方は、これからは「ウォームアップしよう!」と一緒に言っていきましょうね。

 

ついつい ウォーミングアップと言ってしまいそうですが、その時はすぐに正しましょう(笑)

 

ということで「間違いだらけのウォーミングアップ」から「間違いだらけのウォームアップ」に題名を変えて、この先書き進めていきたいと思います。

 

海外では通用しないと書きましたが、これは言葉だけではなく、日本で当たり前のようにウォームアップとして行われているストレッチも海外では通用しません。

 

これについては過去のブログ「ヨガやストレッチは体に悪い」でも書きましたが、ストレッチをすると運動能力が低下することは海外ではもはや常識なのですが、私たち日本人は知りませんでした。

 

今まで当たり前のようにしていたストレッチが体に悪いなんて聞いても素直に受け入れられないでしょうが、受け入れてみるとすごくシンプルに物事を考えられるようになります。

 

以前の私は運動前には必ずストレッチをしてウォームアップをしていましたが、今では朝起きたらそのまま走っています。

 

そんなことしたら怪我をすると思われるかもしれませんが、まったく怪我をしていません。

 

怪我をしていないどころか運動能力は向上しているようにさえ思えています(笑)

 

もちろん、怪我をしない体を手に入れるにはしっかりした体の軸がなければ出来ませんので、体の軸がどこにあるか分からない人はしっかり知る努力をしましょう。

 

体の軸について興味のある方は過去のブログ記事「体の軸を知る方法」「体の軸を鍛える方法」をご覧下さい。

 

さてストレッチが体に悪いと述べていますが、私のようなただのおっさんが言っていることなんておよそ信じられないと思います。

 

そのような方は、日本人最速マラソンランナー大迫傑選手の話をお聞き下さい。

 

----------------(以下、 大迫傑informationより転載)

 走りの最も基礎となる部位の筋肉のほぐし。

彼ら(※海外のトップ選手)は日本ではよく見られる長座状態での静止的ストレッチなどは走る前にはあまり行いません。

一つ一つ動きをつけています。

実は試合前の静止的ストレッチは、かえってパフォーマンスを低下させると言われています。

---------------(転載ここまで)

 

一流選手の言っていることですから、何よりも信憑性がありますよね。

 

私がトレーナーをしていた約10年前はストレッチが怪我を防ぐことが常識でしたから、私も選手たちに「怪我しないようにストレッチしよう!」 と言い続けていました。

 

おそらく私の言葉を聞いて真剣にストレッチをしていた選手もいたと思います。

 

もしかしたらそんな選手ほど怪我をしていたのかもしれません。

 

もちろんストレッチだけが怪我の原因になっていたとは言えませんが、その可能性は否定できませんね。

 

私のようなへっぽこトレーナーが一流選手の足を引っ張ていたと思うと何ともやりきれない思いになります。

 

ただ、それも経験だと思い次に進む力に変えれば未来は明るいです。

 

私は二度と選手たちの足を引っ張っるようなことをしないと心に決め、正しいことを探し求めていきます。

 

その為にも、私の頭の中にある世の中の情報や知識は全て嘘だ!と思い疑ってかかります(笑)

 

なんて大げさかもしれませんが、そのくらいの気持ちで生きていかないと今の時代は大切なものを守れない気がしています。

 

今まで私がやってきたことで様々な選手に迷惑をかけたのでその罪滅ぼしではないですが、これから私は世の中の間違った情報を根絶していこうと決めました。

 

ということで次は、今の私が考える正しいウォームアップについて書いていこうと思います。

 

暖機運転

 

ウォームアップを日本語に訳すと「温める」「暖機運転」という言葉になります。

 

なるほど、運動前に「体を温める事」で「怪我を未然に防ぐ」ことができるから、運動前のウォームアップが大切なわけですね。

 

言葉にすると非常に簡単なことなのですが、どれだけウォームアップを入念にしても怪我をするときはするものですよね。

 

世の中には簡単そうに出来て意外と出来ない事って多いですが、ウォームアップも同じですね。

 

そして、怪我をした時によく言われるのが「ウォームアップが足りない」というものです。

 

入念なウォームアップをした人が怪我をして、さらにウォームアップが足りないとなったら、どれだけウォームアップしたらよいのでしょうか(笑)

 

練習中にずっとウォームアップをしていなければいけませんね。

 

そうすると競技能力を高める練習時間はどんどん減っていってしまうのですが・・・

 

ここで言えるのはウォームアップの「量」で怪我を未然に防ぐことが出来るわけではないということです。

 

大切なのはウォームアップの「質」です。

 

質を高めるには、よーーーく考える事です。

 

誰かから言われたトレーニングを○○の一つ覚えのようにやっていても意味がありません。

 

一つ一つの練習に何の意味や目的があるのか、しっかり考える事が質を高める事に繋がります。

 

つまり、ウォームアップは体を温めることが目的ならば、体のどこを温めるのが良いのか具体的に考える事です。

 

考えるといっても、注意しなければならないことがあります。

 

それは、私たち日本人は体に関する勉強を全くしてきていませんので、「 体」と一言でいっても、人それぞれ連想する場所が違うということです。

 

胴体部分を体と思う人、手足も含めて体と思う人、頭も全てひっくるめて体と思う人、人それぞれ連想する場所は違います。

 

連想する場所は違うけど、どれも全て体ですよね。

 

そんな連想する場所が人それぞれ違う体のどこを温めれば良いのか、具体的に考えろなんて言われても分からないですよね。

 

この辺りの「認識に誤り」があるからたくさんウォームアップをしても、怪我を未然に防ぐことができないのかもしれませんね。

 

ウォームアップに対する認識の誤りと言われても分からない人が多いかもしれませんが、ほとんどの人に間違いがあります。

 

それは「ウォームアップ=筋肉を温める」という認識です。

 

ほとんどの人がこのような認識でウォームアップしているのでしょうが、それでは怪我を未然に防ぐことができないでしょう。

 

というのも「筋肉は温めても冷めやすい」からです。

 

そんな冷めやすい筋肉をいくら温めようとしても時間が経てば冷めていきます。

 

そして、怪我をするときは決まって筋肉が冷えた時に起こります。

 

私は以前のブログ「体を温める方法」で筋肉を温めるには火種が必要だと書きました。

 

火種がなくてはいくら筋肉を温めようとしても温まる訳がないですし、いくら温まった筋肉があってもそれを温め続ける火が消えてしまったら筋肉は冷えていきます。

 

これは、カセットコンロで鍋を温めているときの事を想像すると分かりやすいでしょう。

 

コンロの火がついた鍋は温かいですが、火が消えた鍋は冷めてしまいますよね。

 

すると冷めてしまった鍋の中にある肉や野菜などの具材は冷めていきます。

 

家族や友人同士で鍋をやっていて冷めた具材を食べる事ほどむなしい事はありません。

 

なので、鍋の中にある肉や野菜などの具材が冷えた時には、再びカセットコンロの火を付けて鍋を温かいままに維持します。

 

間違っても肉や野菜の具材をつついたりして温めようとはしませんよね(笑)

 

そんなことしても具材は温まりませんし、ましてや豆腐なんかをつついたら形が崩れてしまいます。

 

こんなことは普通の人ならやらないのでしょうが、体に対してはやっています。

 

冷めた鍋の具材をこねくり回して温めるなんて・・・絶対にやらないようなことを、体に対しては当たり前のようにやっているのです。

 

それが「ウォームアップ=筋肉を温める」といった考え方です。

 

これは、冷めた鍋の具材をこねくり回して温めるのと同じ考え方なのです。

 

ブログ「体を温める方法」でも書きましたが、筋肉を温める火種は「神経」です。

 

つまり、筋肉を温め続けるには神経を使い続けなければいけないのです。

 

神経を使うと聞くと難しいことのように思えるかもしれませんが、凄く簡単です。

 

それもそのはず、私たちは神経の指令に従って動くように出来ているからです。

 

生まれ持ったバランスを崩すと怪我をするとイチロー選手は言っていますが、生まれ持ったバランスとは神経の指令に従って動くことを指すのですが、どこか人は筋肉が最強だと思い間違った方向へいってしまいます。

 

仮に、筋肉が最強なら肉離れという故障が当たり前のように起こる訳がないのですが、練習をたくさんしてきた最強の筋肉をお持ちの方ほど肉離れを起こしています。

 

そんな選手は「準備が足りなかった」「ウォームアップが足りなかった」と練習の「量」を怪我の原因にします。

 

はっきり言いますが、最強の筋肉をお持ちの方の練習量は半端ないです。

 

とんでもない時間を費やして練習をしているので、それ以上練習量を増やしたら体がボロボロになります。

 

そうやってパフォーマンスを下げていくスポーツ選手が多いこと・・・

 

一生懸命に練習しているのにパフォーマンスが上らないのは、練習の「質」に問題があるからです。

 

その質を落とす原因とは、筋肉を最強にしようとする考え方です。

 

何事も向上するには神経を費やします。

 

これは運動でも同じ事が言えるので、筋肉ではなく神経を使って関節を動かしましょう。

 

そうすれば、神経の指令に従って動く筋肉が関節運動を助けてくれます。

 

また神経を上手に使えるようになると呼吸も自然と楽に出来るようになるので、酸素をしっかり体内に取り込むことができて、神経によって熱をもった血液内にある鉄が酸素と結合して体を芯から温めることができます。

 

これにより全身にある265個の関節運動もスムーズになり筋肉や靭帯、関節などの負担が減り、怪我を未然に防ぐことが出来るようになるのです。

 

これこそが今の私が考える正しいウォームアップです。

 

このような神経を使ったウォームアップをすると怪我を未然に防ぐことが出来るだけでなく、競技能力の向上にもつながります。

 

つまり、神経を使った正しいウォームアップをすると、怪我予防だけでなく競技能力も向上するのです。

 

「ウォームアップ=怪我予防」と考える人がほとんどかもしれませんが、私は違います。

 

「ウォームアップ=パフォーマンス向上の練習」と考えています。

 

驚くことに、このような考え方で練習すると怪我予防のウォームアップが自然とパフォーマンス向上の練習になります。

 

ウォームアップの「質」を高めた事により、競技能力向上を目的とした練習の「量」も増えたわけですね。

 

なんとも神経を使ったウォームアップは凄いですね。

 

さすがは「神」という言葉があるだけのことがあります。

 

私は、「神の通り道を神経」と認識していて、体にある「神経の能力を高める事で人間にも神業ができる」と信じています。

 

これは妄信でもなんでもなく、実際に野球界でのイチロー選手は神業を成すような選手ですよね。

 

イチロー選手は20代後半に筋肉に対してトレーニングするのではなく、神経に対してトレーニングするようになりました。

 

神経が筋肉を動かしている事を理解しているからこそ怪我もしないですし、40歳を過ぎても能力を高めることが出来る訳ですね。

 

まさに、年齢の数だけ成長している野球選手です。

 

これが筋肉を使った選手ですと、年齢の数だけ怪我が多い野球選手になります。

 

私は年齢の数だけ成長出来る人でありたいと考えていますので、これから先も神経を使って生きていこうと思っています。

 

といった具合でウォームアップについて書いてきましたがいかがでしたか?

 

間違ってもこんな風に思わないでくださいね。

 

「なーんだ筋肉ではなく、神経を使ったウォームアップをすればいいのかー」

 

さきほど神経を使うのは簡単だと言いましたが、あくまで体の軸を使いこなせる人にとっての話です。

 

おそらくこのブログを読んで分かった気になっている人がいると思いますが、そのような人ほど体の軸がどこにあるか分かっていないですし、神経を使えていません。

 

世の中では、誰よりも長けていることをした人のことを「神ッてる」なんて簡単な言葉で言うような風潮がありますが、そんな簡単に神業が出来る訳がありません。

 

これは体も同じです。

 

私は誰よりも体のことを考えて生活して、誰よりも分かりやすく子供や大人の方々に運動指導をして、子供だけでなく90歳を超えた方の運動能力を高めていますが、まだまだ凡人です。

 

もっともっと自分の能力を高めることをしていかなければいけません。

 

もっともっと感覚を研ぎ澄まして自分の体の中にある神の通り道(神経)を綺麗にしていかなければいけません。

 

そうしなければ私が約10年前にトレーナーとして犯した罪は償えないと思っています。

 

私が正しい知識のもと正しいウォームアップを選手たちに教えていたら、選手たちが怪我で苦しい思いをさせずに済んだのかもしれません。

 

今回のブログを読んでくれた一人でも多くの人が、体のことを正しく学び、正しいウォームアップを知り、一生涯楽しくスポーツや自分のやるべきことが出来る体でいられるようになることを願っています。

 

これからも記事を更新していきますので、どうぞお楽しみに!