スポーツ鬼ごっこ全国大会まで2週間、それぞれのチームが日本一を目指して一生懸命に練習をしています。
そんな練習をもっと実りあるものにしようと三宿こどもアスリートクラブ代表の近藤さんが主導となって、東京都にある三宿小学校でスポーツ鬼ごっこの練習会が行われました。
東京、埼玉、茨城、千葉に住むスポーツ鬼ごっこが大好きな子供たちが集まり練習試合をしました。
今回の練習会の目的は一つ、まだ全国大会で優勝したことはないけど決勝トーナメントで負けてしまうチーム同士で練習試合を行い、優勝経験のあるチームに打ち勝てる力を付けようというものです。
発案者は前述の三宿こどもアスリートクラブ代表の近藤さんです。
近藤さんはこのように熱く語ってくれました。
「普段の練習ではチーム内での試合ばかりで子供たちに刺激が足りない、もっと自分の殻を破って他のチームに挑んでいって欲しい」
近藤さんは教員免許をもっていて子供に対する思いは人一倍ある方です。
三宿こどもアスリートクラブを創設したのも「三宿小学校を変えたい!」という思いがあったからだそうで、単学級が多い三宿小学校の子供たちはどこか内弁慶でエネルギーを外へ発散できない物足りなさがあるそうです。
どの地域にも子供たちの問題はあるようです。
教育環境の良し悪しで子供たちの将来は大きく変わるので、近藤さんのような大人が環境を良くしていこうとする試みは本当に素晴らしいですよね。
スポーツは勝って嬉しいという喜びを味わえると同時に、子供たちの人生にとってかけがえのない何かを得る事ができます。
その何かを得る為には子供たちが自ら考える必要があるのですが、それを引き出すのが非常に難しいです。
ただ単に子供たちに考えろといっても上手くいきませんし、細かく教えすぎても上手くいきません。
何事もバランスが大切なのは分かっているのですが、一人一人違う個性をもった子供たちに何をしてあげると一番良いのか、私も試行錯誤中です。
もっともっと自分を成長させなければいけませんね。
ということで、今回のブログでは三宿小学校で行われた練習会について書いてきます。
全員が必ず失敗する
今回は練習会では3つの目標を掲げました。
その一つが「全員が必ず失敗する」です。
こんな目標を掲げる指導者が世の中にいるのでしょうか(笑)
まーこれには理由があるので少し説明していきます。
皆さんは失敗したいですか?
それとも成功したいですか?
このように聞かれて失敗したいなんて言う人はいないですよね。
ただスポーツをする上で失敗は付き物です。
というか、人が生きていく上で必ず失敗をします。
それなのに「失敗はしてはいけない」と頭の中で考えてしまいます。
特に年齢を重ねれば重ねるほどその傾向は強くなります。
なぜそのようになるのでしょう。
その心理としては、失敗したら他人に迷惑をかけるとか、失敗したら恥かしいとか、失敗したら何かを失うとか、失敗したら怒られるとか、失敗に対するマイナスのイメージが強いからではないでしょうか。
では、このイメージは誰が作り出しているのでしょうか?
親?
友達?
大人?
先生?
子供であれば上記の人たちの影響は非常に大きいと思います。
いわゆる周囲の人たちが子供たちに失敗は悪いものだと思わせているようです。
スポーツであれば特に監督やコーチから受ける印象は大きいと思います。
そんな影響が子供たちの可能性を潰すのだと私は思います。
もちろん、やってはいけないことについては厳しく叱る必要がありますが、何かに挑戦しようとして失敗した場合は逆に誉めてあげなければいけません。
この辺りを分別出来ないと子供はどんどん臆病になっていきます。
その逆に失敗しても誉められるなら子供はどんどん挑戦すると思います。
そして失敗は誰でもしたくないですから、挑戦していくうちに自然と改善策を考えていきます。
その考えた先に成功がまっているのです。
成功は誰でも嬉しいし、また成功したいと思います。
これが上手くハマり出すと子供はどんどん成長していきます。
このような状態になると指導者が何も言わなくても、子供たち自らが積極的に挑戦していくので、子供たちの姿を見ていて感動します(笑)
私はこの感動を味わいたくて仕方がありません。
なので、今回の練習会では「全員が必ず失敗する」という目標をかかげました。
実際にやらせてみると子供たちは素晴らしいですね。
失敗したい人を励ます周囲の声掛けが半端なかったです(笑)
このような声掛けがあると失敗してもまた挑戦しようってなりますよね。
面白い物で、失敗した人はその後すぐに挽回します。
失敗→成功→失敗→成功・・・
この繰り返しで子供は強く成長していくので、指導者は「失敗させない指導」ではなく、「失敗した後に改善策を考えさせる指導」をしていく必要がありますね。
言葉では簡単に言えますが、実践するとなると難しいですよね。
ちなみに、練習会最後に皆に聞きました。
「今日の練習会で失敗した人?」
全員が顔を上げて笑顔で手を挙げてくれました。
子供たちが失敗しても笑顔になれる指導をしていきたいですね。
全員が必ず宝を取る
どんなスポーツも得点を取った人が一番目立ちます。
スポーツ鬼ごっこも同じで、宝を取った人が一番輝いて見えます。
そして、宝をとった瞬間の喜びは半端ないです(笑)
これはやったことがある人にしか分からない感覚ですね。
であれば、全員がその喜びを味わえるようにしましょう!ということで2つ目に「全員が必ず宝を取る」という目標を掲げました。
この目標は簡単そうに見えて実は難しいんですよね。
というのもスポーツ鬼ごっこは7対7のチームスポーツでもあるので、全員が宝を取りに行くと、自陣にある宝を相手に取られてしまいます。
なので、宝を取りに行く人と宝を守る人に分かれて行います。
すると、宝を守る人は相手の宝を取りにいけませんので、目標を達成することができないのです。
ではどうしたらよいのでしょうか。
宝を取った人がおとりになって、宝をとっていない人に取らせてあげるというチームプレイができるようになるのです。
子供たちは試合中にメンバー同士で「宝とった?とってない?」の確認をしながら上手く対応していました。
そして、最後に聞きました。
「宝取った人?」
全員が力強く手を挙げてくれました。
一人一人が輝けるって素晴らしいですね。
最後まで諦めずに走り続ける
勝つときもあれば負ける時もあるのがスポーツです。
どんな結果になろうとも最後まで諦めずにやり通すことって大切ですよね。
この事を子供の時からしっかり身に付けておくと大人になっても絶対に役に立ちます。
ということで3つ目の目標は「最後まで諦めずに走り続ける」です。
これって当たり前のことなのに大人は出来ないですよね(笑)
私も子供に偉そうに言っているクセに自分が出来ていないんです。
どこか途中で手を抜いてしまうところがあります。
そんな私に子供たちが見本を見せてくれました。
今回の練習会ではどのチームも強豪ばかりだったのですが、特に三宿こどもアスリートクラブは最強でした。
試合開始の合図と共に間髪を入れずに攻めてくる姿勢は、全国でもトップクラスでしょう。
同じ千葉県のいんばジュニアの攻撃も強かったですが、それ以上に強い攻撃でした。
そんな攻撃にうちはボロボロにやられてしまい、もはやどうしたらよいのか分からない状態に追い込まれました。
それでも、子供たちは諦めず最後まで走り続けてくれました。
どれだけボロボロになろうとも戦う姿勢を見せてくれた子供たちから私はたくさん学びました。
指導者や大人は子供より出来ていると思いがちですが、子供の方が出来ていることってありますよね。
でもそれを認められないのが大人の悪い癖でもあります。
私はそのことに気付いてから子供に教えるというよりも教わる姿勢も忘れずにいようと決めています。
私は指導者とはいえ、まだまだへなちょかな大人です。
これからも子供に負けないくらい頑張ります。
ということで練習会最後に聞きました。
「最後まで諦めずに走り続けた人?」
これは全員が手を挙げてくれたのですが、どこか自信なさそうにあげていました。
子供たちの中ではまだまだということでしょうか。
このような姿勢も学ばなければいけませんね。
宝を取った時、輝けるのがスポーツ鬼ごっこではありますが、宝を取らなくても活躍できます。
相手の攻撃をしっかり止めて自陣の宝を守るのも大切な役目です。
何でもそうですが、意外と目につかない所で頑張っている人が重要な働きをしているものです。
それぞれのポジションで与えられた役割を一人一人が責任をもって行うことでチームが強くなります。
今回の練習会で子供たちは確実に成長してくれました。
このような機会を設けて下さった三宿こどもアスリートクラブの近藤さんありがとうございました。
また関係者の方々も準備や運営をして下さりありがとうございました。
果たして、今年の全国大会では子供たちがどのような活躍を見せてくれるのでしょうか。
第7回スポーツ鬼ごっこ全国大会は10月28日(日)に神奈川県の大和なでしこスタジアムで開催されます。
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