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腰の使い方

前回は「子供の視力低下の原因」について書きました。

 

目は人間にとって約9割の情報を手に入れる部分ですから、子供の頃から目をしっかり鍛えておいて物事の分別がしっかり出来るようにしたいものですね。

 

というのも、世の中には目で見たくても見れない、耳で聞きたくても聞けない人がいることを忘れてはいけません。

 

私たちが当たり前のように使って見ている目も、スマートフォンの見過ぎで能力が著しく低下していきます。

 

暇つぶしで子供にスマートフォンを見せる親御さんは多いと思いますが、その行動で子供の目の能力を低下させていることを忘れてはいけません。

 

このことはiPhoneの生みの親でもあるスティーブ・ジョブズが生前言っていたことがあります。

 

それが以下の言葉です。

 

「うちの子どもたちは、まだ(iPhoneを)使ったことがないんだよ。家では、子どもたちがテクノロジーを使う時間を制限しているからね」

 

また 、スティーブ・ジョブズを知るウォルター・アイザックソンは以下のことも言っていました。

 

 「スティーブは、毎晩キッチンにある大きな長いテーブルで必ず夕食をとり、本や歴史、その他あらゆることについて話していました。iPadやコンピューターを取り出す者は誰もいませんでしたよ。彼の子どもたちが、デバイス中毒になっている様子は、まったくみられませんでした」

 

アップルの元最高責任者は、私たち一般庶民以上にスマートフォンが子供に与える影響を熟知していたのでしょう。

 

スマートフォンで動画を見ながら食事をする子供を多く見かけますが、目を奪えば、その人の脳を奪ったのも同然です。

 

食事の味、家族との会話、食事の大切さや楽しみ、全てをスマートフォンによって奪われていき、子供の味覚やコミュニケーション力が育たなくなります。

 

子供が自分の頭で創造できる大人になって欲しければ、最新機器を子供に扱わせる時間を制限する必要があると思います。

 

子供の能力を育てるのに一番重要なのは習い事をさせることではなく、日常生活の営みを改めることではないでしょうか。

 

何事もすぐに吸収する高性能な脳を持つ子供たちを生かすも殺すも一番近くにいる親の行動次第といったところでしょうか。

 

便利な物で人間の能力が著しく低下しないように、スマートフォンは使うべき時だけに使い、なるべく自分の脳を使って考えて行動できるような人になりたいものですね。

 

さて、

 

前置きが長くなりましたが話は変わり、

 

今回は「腰の使い方」について書いていきます。

 

 

 

腰の使い方って・・・

 

 

 

 

皆さん、習った事あります?

 

おそらくないですよね(笑)

 

もしかしたらゴルフをする方は、腰の使い方について習ったことがあると思いますが、普通に生活している人はないと思います。

 

ただ、腰の使い方を習った記憶はなくても、腰に痛みが出る方は多いのではないでしょうか?

 

私の近所の整形外科では、腰痛を治療してもらうのに2~3時間待ちは当たり前だそうです。

 

「ひぇーーー!!待ち時間が2~3時間って・・・!」

 

待ち時間でさらに腰が痛くなりそうですね(笑)

 

あっそうそう。

 

つい先日、からだ塾にもギックリ腰で歩けないから何とかしてほしいと連絡がありました。

 

話を聞くと、その方は起き上がることも出来ないし、トイレに行く事もできなかったので、近所の鍼灸師に自宅へ来てもらったそうです。

 

すると一時は腰痛が改善して少し歩けたそうですが、すぐに痛みが戻ってどうしようもないと・・・

 

見かねた鍼灸師がからだ塾の噂を知っていたので紹介、その方は苦悶の表情で腰を丸めながら奥さんにつれそってもらい来院されました。

 

私は入口から入ってくる姿を見てすぐに気づきます。

 

それは「姿勢が悪い」です。

 

姿勢の悪さは近所の鍼灸師からも過去に何度となく指摘を受けていたそうですが、なかな改善出来ずにいたそうです。

 

そんな方がからだ塾で1時間の施術を受けると・・・

 

別人になります。

 

来るときは苦悶の表情で歩いていた旦那が、「歩くのが気持ち良い」と言い出し、奥さんはポカーーンとしていました(笑)

 

その方は、さきほどまで腰痛を抱えていた人とは思えないくらいにスタスタと歩いて帰っていきました。

 

朝は苦悶の表情で歩いていた人が夕方には元気に歩いている。

 

しかも驚くほど姿勢が良くなって・・・

 

後日、近所の鍼灸師の方からそのような連絡を受けました。

 

さすがの整形外科も1時間で腰痛を改善させることは出来ないでしょう。

 

なんせ待ち時間が2~3時間ですから(笑)

 

とはいえ、なぜこのようなことができたのでしょう?

 

それは簡単です。

 

「腰の使い方」を教えたからです。

 

からだ塾から言わせてもらえば腰痛を抱える人のほとんどが腰の使い方を間違えています。

 

車でアクセルとブレーキの使い方を間違えれば大きな事故になるように、人間の体も同じです。

 

車の運転免許を取るように、腰の使い方もしっかり習いましょう。

 

ということで、腰の使い方について具体的に説明していきたいのですが、そもそも腰ってどこですか?

 

車のアクセルとブレーキの位置はすぐに分かると思いますが、腰の位置って皆さん分かっています?

 

「そんなの簡単だよ!ここだろ!?ここ!」

 

はい、ではその「ここ」をご自身で触って下さい。

 

ご自身で腰だと思う所を手で触って下さい。

 

ちなみに、からだ塾に来てくれた人の中で腰の位置を正確に答えられた人は未だかつていません。

 

今、ブログを読まれている、そこのあなた!

 

ぜひご自身の腰を触って教えてください。

 

おそらくご自身の間違いに気付けると思いますよ(笑)

腰の位置

ここでひとまず、腰の位置について調べてみましょう。

 

言葉の意味を調べるのに一番利用できるのが辞典ですね。

 

使用した辞典は4つ、デジタル大辞泉、世界百科事典第2版、大辞林第3版、日本大百科全書(ニッポニカ)を使って調べました。

 

まず皆さんには、それぞれの辞典を読んで頂き腰の位置がどこなのか考え頂きたいです。

 

 

-----------(以下、デジタル大辞泉より転載)

 

腰とは、人体で、骨盤のある部分。脊椎が骨盤とつながっている部分で、上半身を屈曲・回転できるところ。腰部(ようぶ)。

 

-----------(転載ここまで)

 

 

腰と骨盤のある部分ということですから、腰と骨盤は一緒なのでしょうか。

 

他の辞典もみてみましょう。

 

 

 

-----------(以下、世界百科事典第2版より転載)

 

一般に背骨の下部上半身を曲げたりひねったりすることのできる部位を指す語。解剖学的には腰部の範囲は狭小だが,日常語としての〈こし〉が指す部分はあいまいで広い。

〈こしぼね〉には寛骨や仙椎も含まれ,〈こしをかける〉とは実は尻をかけることである。柔道で相手を臀部に乗せて回し投げる技を腰車という。

 

武士は腰刀を側腹部に差していた。くびれた腰の線とは側腹部を後ろから見た輪郭のことである。このようなあいまいさは他の言語にもある。

 

-----------(転載ここまで)

 

こちらの辞典には、腰を解剖学的に表せば、 背骨の下部上半身を曲げたりひねったりすることのできる部位と書いてあり、骨盤とは書いてありませんね。

 

ただ、日常語としての腰は、〈こしぼね〉には寛骨や仙椎も含まれ、臀部に乗せて回し投げる技を腰車、武士は腰刀を側腹部に差していた、などと書いてあり、腰はとてもあいまいな言葉なのですね。

 

腰と骨盤は同じではないような気もしますね。

 

 

 

-----------(以下、大辞林第3版より転載)

 

人体で、脊柱せきちゆうの下部から骨盤のあたり。体の後ろ側で胴のくびれているあたりから、一番張っているあたりまでを漠然とさす。上体を曲げたり回したりするときの軸になり、体を動かしたり姿勢を保ったりするときに重要なところ。人間以外の動物にもこれをあてて言うことがある。 

 -----------(転載ここまで)

 

脊柱の下部から骨盤のあたりを腰であるという辞典もありますね。

 

また、上体を曲げたり回したりするときの軸になりと書かれてある通り、体を動かしたり姿勢を保ったりするのに非常に重要な部分を腰とも言うようです。

 

しかしながら脊柱の下部がどこなのかも明確に分からないですね。

 

 

-----------(以下、日本大百科全書より転載)

 

腰あるいは腰部についての明確な定義はないが、腰椎(ようつい)の高位と考えればよい

腰椎は胸椎の下位に5個あり、その下位には仙骨があって、仙骨は骨盤の一部となっているので、腰椎は脊柱(せきちゅう)の土台といえよう。

腰椎は生理的に軽度の前彎(ぜんわん)を示しているが、強力な靭帯(じんたい)、筋肉によって支持されており、腰筋膜も強靭である。

 

腰椎の運動は屈伸運動がもっともできやすく、左右屈運動もできるが捻転(ねんてん)運動は少ない。ヒトは起立位をとるため腰部にかかる負担はきわめて大きく、とくに腰椎下部に力学的負担が集中的に加わる。そのため、腰椎椎間板ヘルニアは第4―第5腰椎椎間にもっとも多く、脊椎分離症は第4腰椎と第5腰椎に多く発生し、退行性変化である変形性脊椎症も腰椎下部に好発する。これらの疾患は腰痛の原因になるが、そのほかに腰筋痛などもおこりやすい。

このような腰痛の発生は、起立しているヒトの宿命であるともいえる。日常、座位および起立位での姿勢をよくすること、腰部体操などを行って腰部筋力の強化に努めることが必要である。

 

-----------(転載ここまで)

 

これまで4つの辞典で腰を調べてきましたが、最後に紹介した日本大百科全書が一番分かりやすかったです。

 

日本大百科全書では腰についてこのように書かれてありました。

 

【腰部についての明確な定義はないが、腰椎(ようつい)の高位と考えればよい

 

腰椎には高位と下位があり、下位は仙骨であると書いてあります。

 

つまり仙骨は骨盤の一部分ですから、腰と骨盤を一緒にしてはいけないようですね。

 

あくまで腰は腰椎の高位であるということです。

 

また、腰の運動についても書かれてありました。

 

それが、【腰椎の運動は屈伸運動がもっともできやすく、左右屈運動もできるが捻転(ねんてん)運動は少ない

 

腰椎は捻転運動は少ない・・・

 

つまり、腰は捻ってはいけないということですね。

 

それなのに、「腰を捻って!」という言葉がごく普通に使われています。

 

驚くことに専門家でプロの医師さえも腰痛予防のために「腰を捻りましょう」と言っていました。

 

 腰は元々、捻転運動は少ないにも関わらず、それを強要するのはあまりにも体がかわいそうではないでしょうか。

 

「人体を理解して体を使えば怪我をしない」とイチロー選手も言っていましたが、まさに腰は捻ると怪我につながります。

 

では、なぜ人間は体を捻れるのか?

 

それは胸椎があるからです。

 

解剖学的に、腰椎は回旋動作を約5度しか行えないが、「胸椎」は、約30度の回旋が可能な構造なのです。

 

なので、腰を捻ってではなく、胸椎のある背中を捻る事が重要なのです。

 

つまり、からだ塾では「腰と背中を使う」ことが大切と言っているのは、腰には屈伸動作、側屈動作という役割があり、背中には回旋動作という役割があり、腰と背中の2つで1つの大きな仕事をしているからなのです。

 

いかがですか、ここまで腰について細かく書いてきましたが、ご自身の腰の位置は把握出来ましたか?

 

続いては、写真を交えてもっと分かりやすく腰の位置を示していきたいと思います。

 

 

腰って・・・

 

北海道でからだ塾のトレーニング指導を受けるYさん、彼女が腰の位置を手で触れて写真を撮ってくれました。

 

Yさんにとって、おしりの少し上あたりが腰ですかね?

 

骨盤も含んだ位置が腰だとYさんは理解しているようです。

 

続いて、背中の位置も手で触れて写真を撮ってもらいました。

 

背中って・・・

 

上記の写真、手で触れているところがYさんが思う背中だそうです。

 

Yさんが思っている腰の位置より少し上あたりに背中はあるそうです。

 

 

では、私が思う腰と背中を発表します。

 

 

 

腰が高い!

 

上記の写真は、Yさんが背中だと認識している位置に手を触れているものです。

 

その写真の私が思う腰と背中をマーキングしました。

 

緑が腰で、オレンジが背中です。

 

Yさんが背中だと認識していた場所よりも上に腰があり、その遥か上に背中があります(笑)

 

これを知ったYさんは愕然としていました。

 

これはYさんに限った話ではなく、ほとんどの人に当てはまります。

 

私はきまって、セントレ中に腰と背中の位置を聞く時があるのですが、腰を低い位置で認識している人があまりにも多い事・・・

 

ほぼ100%が骨盤やお尻を腰だと、間違った認識をしています。

 

「骨盤やお尻は、腰ではない!」

 

このことをどうぞお忘れなく。

 

ちなみに、腰と背中を以前よりも高いところで認識するようになったYさん、体に何か変化はおきているのでしょうか?

 

以下の様な感想を頂きました。

 

---------------(以下メールより転載)

 

腰と背中の認識が変わったことで、前より足の負担が軽減した気がします。

高校生の時は、部活後の次の日の朝は、足が重くて朝起きることが苦痛で、朝練が辛かったことを覚えています。

ですが今は、そのようなことが減ってきました。いつも同じ時間に起きて朝ご飯を思う存分食べるという習慣が崩れません。

上に意識がいくことで、前まで下にかかっていた負担が上へ上へとあがっていったのではないでしょうか。


正しい腰背中の位置を意識することで、自然と顎があがり、首が伸びて、視線が高くなりました。その状態をプレー中も保てていれば、コート全体を見渡せるようになり、もっと良いアシストや動きが出来るのだと感じます。まだ私は出来ていませんが、意識をし続けてトレーニングを重ねればそうなれると確信しているので今頑張っています。

 

------------------(転載ここまで)

 

Yさんの感想、とても興味深いですね。

 

腰と背中を正しく認識すれば足の疲労が減り、翌日の練習にも疲労を持ち越さないようになったり、バスケのプレー中もコート全体が見渡せるようになりもっと良い動きができそうだと言ってくれています。

 

つまり逆をいえば、お尻や骨盤を意識して動かすと、足の疲労がたまり視野が狭くなり、体の動きも鈍く重い動きになるということでしょうか。

 

真意の程は分かりませんが、私はそうでした。

 

私も過去には、骨盤の前傾を意識してお尻の筋肉を使って走ることをやっていました。

 

すると、ふくらはぎやふとももなど足の筋肉がパンパンになって、よく足をつっていたことを記憶しています。

 

その当時は、それがよいトレーニングなのだと無理やりよい方向に思い込み、自分が間違っているなんて認めようとしませんでした。

 

そんな私も今は素直に言えます。

 

「過去の自分のやり方に間違いがあった」と・・・

 

これを言えるか言えないかでまったく違った人生になります。

 

 

頑なに自分自身の間違いを認めないで生きる人生より、間違いをすぐに認めて修正しながら生きる人生のほうが有意義な人生だと思うのは私だけでしょうか。

 

さて、ここまで腰の位置について書いてきましたが、もう一度おさらいです。

 

からだ塾では以下の位置を腰と背中と言っています。

意識は高く

 

皆さんが思う以上に腰と背中の位置が高かったと思います。

 

面白いことに、眼球を上に向けると上記の腰と背中が伸びる感覚がでてきます。

 

年齢を重ねれば重ねるほど、足元を気にしがちになり、眼球が下を向きまう。

 

すると、腰と背中が伸びづらくなり、どんどん腰と背中が丸くなっていきます。

 

年齢を重ねると背が縮んだという方は多くいらっしゃるかと思いますが、眼球の使い方と腰、背中の使い方に関連性があるようです。

 

また、姿勢が悪い事を気にしている方は上記の位置にある腰背中を上に伸ばす様にしてみてください。

 

すると自然と頭の位置が高くなり目線が変わり、無理なく楽な姿勢に変わっていくと思います。

 

胸を張って!背筋を伸ばして!という言葉だけでは姿勢は良くなりません。

 

腰と背中の位置を正しく認識して使いこなせるようになって初めて良い姿勢が手に入ります。

 

ぜひお試しください。

 

さて、ここまで腰の使い方について書いてきましたがいかがでしたか?

 

「おいおい・・・腰の使い方なんて書いてないじゃん!」

 

といった声が聞こえてきそうですね。

 

そんな方々の為に最後に一言、

 

腰の位置を今の認識よりも上にして下さい。

 

そうすれば、自然と腰は使えるようになります。

 

もし、使えない場合はあなたの感覚が鈍い証拠です。

 

今すぐ、からだ塾のセントレを受けて体のセンサーを改善させて下さい。

 

そうすれば、腰の使い方が分かるようになりますよ。

 

 

 

それでは、またのブログ更新をお楽しみに!