秋の陽気に包まれ運動会が開催されている所も多いことでしょうが
スポーツ鬼ごっこも熱い戦いが繰り広げられています。
先日の9月30日に開催された八王子カップでは
Teamからだ塾U9が並みいる強豪チームに全て勝ち切り
見事に優勝を遂げました。
今年に入りTeamからだ塾がスポーツ鬼ごっこの大会に参加したのは
3月開催のつくば大会、8月開催のランクラカップ、
そして今大会の八王子カップで3回目になります。
つくば大会もランクラカップも強豪チームに勝てず、
非常に悔しい思いをしてきました。
特に9歳以下のカテゴリーでは、他チームの勢いに押されて弱気になり
戦う姿勢を見せることが出来ずに、成長の階段を上れない日々を
過ごしてきました。
しかし、その階段を八王子カップでは見事に上り優勝という結果をだして
喜びを爆発させることが出来ました。
Teamからだ塾に所属する9歳以下の子供たちの最大の弱みは
やはり「気持ちが弱い」ところでしょうか。
1チーム7人制のスポーツ鬼ごっこでは決まったポジションはないような
ものですが、実際は攻撃陣と守備陣に役割分担をきめて戦うことが
多くなります。
Teamからだ塾でも同様に攻撃陣と守備陣で分かれて戦っている
のですが、どうも攻撃陣の弱気が目立つ・・・
これは親御さん方から見ても明らかな問題点なのですが、
なかなかそれを改善出来ずにいました。
7人対7人の2チームに分かれて対決するスポーツ鬼ごっこでは
両チーム共に宝を一つもっていて、この宝をめがけて
相手にタッチされずに進んでいき、相手チームより先に宝をとれば
1点で、最終的に点数が多いチームが勝者になります。
言葉で言うのは簡単ですが、実際にやってみるとなかなか難しく
そして奥深い競技がスポーツ鬼ごっこで
宝を取るために怖がらずにまっすぐ突っ込んで走れば得点がとれるのに、
相手に捕まることを恐れて走る事が出来ない子供が続出します。
9歳以下のTeamからだ塾の攻撃陣も同様で、足が速いし避けるのも
上手なのにそれを出しきれない子供がいて、どのようにすれば
改善できるのか試行錯誤の連続です。
私も練習のときに大きな声で叱り飛ばしたり、
上手く出来た瞬間には凄く誉めたりして子供たちが気持ち良く
成長できるようなサポートをしてきました。
このような事は誰しもが知っていることではありますが
子供の成長スピードはそれぞれ違っていて
早く成長する子とゆっくり成長する子に分かれます。
指導者にもよりますが、様々な事情で早く成長する子を伸ばし
ゆっくり成長する子をないがしろにしてしまう指導者がいます。
特に集団スポーツは指導対象の子供たちの人数が増えるので
1人1人をしっかり見切れない為そのような傾向が強く現れます。
指導者としても、
早く成長する子は「上」でゆっくり成長する子は「下」と
いった2つに分けて評価したくはないのでしょうが
限られた時間の中で求められる結果を出していかなければならない
状況では、自然とそうせざる負えないのでしょうか。
子供たちは凄く敏感なので自分がどのように評価されているのかを
口には出さないけれども理解していると私は思っています。
周囲の視線は、成長が早く結果を出す子に目が行くので
評価されない子供はどうしても劣等感を抱いてしまいます。
このような劣等感を感じてスポーツを辞めていき
運動が嫌いになる子供も多いのではないでしょうか。
「自分にはどうせ出来ないから・・・」
「○○君には勝てないから・・・」
「足が遅いから・・・」
小学生の頃に劣等感を持ってしまうとその後の生活にかなりの
支障が出てきます。
どのような支障が一番まずいかというと、
自分に限界を決めてしまうことではないでしょうか。
なぜなら、限界を決めた時点で成長は止まってしまうからです。
子供の可能性は無限大ですし、限界を決めなければ成長出来るチャンスは
いくらでもあるからです。
では、どうすれば一人一人の子供たちが劣等感を抱かないように
すれば良いのでしょうか。
これは、非常に難しい問題ですがやはり「役割」を
作ってあげることではないかと思っています。
スポーツ鬼ごっこには、子供たち一人一人に役割分担があります。
大きな役割分担で言えば攻撃と守備の2つなのですが、細かく言えば
きりがありません。
チームをまとめる役
周囲に積極的に声掛けをする役
試合を冷静に分析する役
強気に攻め続ける役
頑固に守り続ける役
とにかく走り回る役
攻撃と守備のバランスをとる役
ゆっくりした動きで隙を狙う役
チームの雰囲気を和ませる役
チームに緊張感をもたらす役
ふざけて周りのメンバーから怒られる役
何度も同じ間違いをする役などなど・・・
実に様々な役割がスポーツ鬼ごっこには存在していて
どの役割も重要な役割です。
特に最後に挙げた2つの役は劣等感を抱えそうな子供がなりがちですが
スポーツ鬼ごっこではこのような存在も貴重な戦力になります。
というのも、スポーツ鬼ごっこは全員が均一に同じ動きばかりしていても
得点をとれないことがあります。
そんな時に、周囲と違う事をする子供が周囲と違う動きで相手の意表を
ついて得点をとることがあります。
今回の大会で優勝できたのは、まさにそのような役割の子供がいたから
でした。
勝てば優勝を決める1戦の後半で2-5と負けていた時に
流れを変える1点を取ったのが何度も同じ間違いをする役の子供でしたし
その後に立て続けて得点を重ねてくれたのは、
ふざけて周りのメンバーから怒られる役の子供でした。
スポーツ鬼ごっこには、劣等感を抱いてしまいがちな子供さえも
チームに必要不可欠な存在にしてくれる不思議な何かがあります。
そして、メジャースポーツでは劣等感を抱えてしまい成長できなかった
子供を驚くくらい大きく成長させてくれるのも
スポーツ鬼ごっこの大きな魅力の一つではないでしょうか。
まだまだ認知度が低い競技のスポーツ鬼ごっこではありますが、
劣等感を抱えやすい育成年代の子供たちには
最適な競技だと私は思っています。
当然ながら、スポーツ鬼ごっこには様々な役割があるので、
チームをまとめる役の子供が大きな核になります。
このような存在なしではチームが同じ方向へ進めないですし
バラバラになって子供たち同士の仲も悪くなります。
Teamからだ塾にも、チームをまとめる役の子供がいて
今回の大会でも大きな力を発揮してくれました。
諸事情があり監督である私がいない状況下でも
みんなをまとめて子供だけで試合前のウォーミングアップをしたり
作戦や戦術確認をしたりして大会に向けてしっかり準備を
してくれました。
そして、そのうちの一人は大会の特別選手として表彰され、
昨年は一つも獲得できなかった個人賞をランクラカップと合わせて
2つ獲得でき周囲からの期待も高くなっています。
「自分が成長すれば、周りのメンバーも成長するから
チームを強くするには、まずは自分がどれだけ成長したいって思えるかが
大切だよ。だからみんなも周りのメンバーを気にしないで、
自分がもっと成長したいって思って練習しようよ!」
このように彼は練習中に言っておりました。
彼は、小学3年生ですよ(笑)ありえないですね。
親になると自分の成長よりも子供の成長を願う気持ちが強くなり、
自分の事を後回しにしてしまう傾向がありますが、
彼の言葉を借りれば、子供を成長させたいなら親がもっと成長したいと
思って生きていく必要があるということですね。
親が成長すれば子供も成長するのだから、子供にガミガミ言うことも
大切だけど、それ以上に親が自分の成長を求めて生活してこそ
子供が成長するのだと・・・
「はっはぁぁーーーー。」
子供の言葉って響きますよね(笑)
私は彼の様な子供たちと接する時間が長いので、心にグサッと刺さる
事を言われ続けています。
もはや子供の前でふんぞり返って偉そうに話が出来ないくらい
子供たちは大きく成長していると感じています。
ですので、今では監督である私がチームの中で一番下っ端になった気分で
指導をするという不思議な体験をしています。
もはや、プライドもへったくれもありません。(笑)
でも不思議なことに、嫌な感覚はなくて子供に言われることを素直に
受け取り素直に行動すれば私は成長出来るのではないかと思っています。
私としても、頭の固い頑固親父ではなく、間違いを素直に認め反省できる
子供の様に素直でまっすぐな大人になりたいと思っているので、
子供たちと過ごす環境はとても居心地が良い物になっています。
とはいえ、なかなか自分の培ってきたプライドを捨てるのは難しいもので
子供のように素直になる難しさを痛感しています。
でも限界を決めたらそこで成長が止まってしまいます。
子供を成長させたいなら自分がもっと成長したいという気持ちで
生活しなければいけませんので、もっともっと頑張ります(笑)
さて、八王子カップで優勝をしたTeamからだ塾ですが
まだまだ全国大会では勝ち抜く力がないのが正直な感想です。
山梨や神奈川、そして波に乗っている茨城のつくばなど
今大会に出場していないチームが複数あります。
このような強いチームに如何に対抗していけるかがこれからのカギに
なります。
Teamからだ塾も成長していますが、他チームはもっと成長していると
思い更に練習に取り組んでいきます。