山梨県の石和温泉という地で
望月家の末っ子として誕生した
私、竜弥には2人の姉と1人の兄がいます。
姉と兄には厳しかった父も
末っ子の竜弥には
とても優しく、
竜弥の好き勝手にさせてくれました。
私が何か物を欲しいと言ったら
「我慢しなさい!」と言われた
記憶がない程
父と母は私に
甘かった気がします。
そんな、甘ったれ小僧の
私に厳しく指導をしてくれた
人がいます。
それが、
4つ年の離れた
次女でした。
その厳しい指導は
今でも記憶にしっかり残っています。
小学生の頃、空手をしていた私
同じく空手をしていた姉
些細な事が理由で
喧嘩が始まると
中学1年生だった姉は
長い足を巧みに使い
まだ小学3年生だった
私に容赦なく蹴りを
いれてきます。
そして、姉は
ボコボコにした私に向かい
捨てセリフを言います。
「まだ、勝てると思うなよ!」
心の中で私は
「この野郎!」と
思いながらも
毎晩寝る時は怖くて
枕を濡らしました。
そんな、日々を過ごしていた
ある日の朝
私が目を覚まして
居間へ向かうと
血相を変えた姉が
私の方を見ています。
私は心の中で
「やばい。やられる。」と
訳も分からない恐怖に
怯えていると、
姉は一言。
「ドゥンガが死んだ」
「え。マジ?」と
私は頭の中が真っ白に
なりました。
ドゥンガとは、
私が当時
大好きだった元ブラジル代表の
サッカー選手です。
私は
闘将の異名を持ち
周囲を鼓舞する
強い彼のように
なりたくて
ジュビロ磐田に在籍していた
彼のプレーを見ていました。
そんな彼が死んだ・・・
私はかなり落胆していました。
そんな私を見て
血相を変えてその事を伝えた
姉は、突然笑みを浮かべています。
「この野郎!こんな時に笑ってるなんて
どんな神経してんだ。」
そんな事を心で思いながらいると
姉が一言。
「今日は何日?」
「はっ!?何言ってんの!」と
私は思わず口に出してから
日めくりカレンダーを見ると
前面にに出ていたのは、
4月1日。
大人になった私は、
毎年エイプリールフールを
迎える前の3月下旬になると
その事を思い出します。
そして、
復讐心をむき出しにして
誰かに一生忘れられない嘘を
ついてやろうと
様々な計画を立てます。
そして、
待ちに待った昨日
日付は4月1日。
ターゲットは・・・
私の妻である知佳。
事前に
入念な計画を
立てている為
様々な作戦を遂行するのに
私は朝から忙しいです。
私より早く起きて
家事をする妻が
朝からニュースで
今日はエイプリールフールだと
いう事を悟られないように
私は早起きをして
テレビを独占。
チャンネルは
NHKのEテレの
「0655」。
ここにチャンネルを
合わせておけば
シャキーン
はなかっぱ
デザインあ
フックブックローと
続き
ニュースでエイプリールフールを
知る事が出来なくなる事を
私は知っているのです。
朝の作戦は見事に成功。
妻は今日が4月1日であり
エイプリールフールだという事に
気付いていません。
「よし、よし」と
私は笑みを浮かべました。
その後の作戦は
至ってシンプル。
嘘つき時限タイマーが発動する
夕食時を待つだけ。
それまで、
とにかく普通に
仕事をしたり
妻や娘と話をしたり
していました。
そして・・・
時刻は「19時00分」
私は店舗を去り
自宅へ向かいます。
家に着くと
昼寝をしていなかった
娘は早々と寝ていました。
これは、朗報。
嘘をつくまで冷静でいられる。
時計の針は休まず
時刻を刻み続けます。
妻は、夕食を作り
食卓へ並べて
何気ない会話をしながら
食事を済ませます。
ここまで、順調です。
食卓を片付け
キッチンでお皿を洗い終え
手を洗っている妻に
私から一言。
いよいよ
嘘つき時限タイマーが発動します。
私
「今のサッカー日本代表の監督の名前
言える?」
妻
「言えるよ。」
「アギーレでしょ。」
私
「いやいや違うでしょ」
妻
「あ、変わったんだ。
ハレブリジッチでしょ?」
私
「違うよ。ハレルヤブリッジだよ。」
何とも間抜けな2人です。
私も、正確な名前を言えません。
正解は、ハリルホジッチです。
と、それはさておき
私は見事に話題をサッカー日本代表に
持っていく事に成功。
その後は、
私が昨年からお世話になっている
広島の西本直先生が
日本代表の選手の
動き作りをしてくれと
サッカー協会から
頼まれたと
先生から電話で直接聞いた事を
伝えます。
先生とも面識がある妻は
それに驚き!
大きな声で喜んでいました。
妻
「先生がそうやって、
オファーを受けるなら
あなたにとってもプラスになるじゃない」と
喜びついでに期待を膨らませてくれました。
そこへ、私が一言。
私
「そうなんだよ。
それがね。
先生から
お前も一緒に来ないか!と
電話で言われたんだけど
迷ってるんだ。」という
嘘つきタイマーが発動しました。
そして
それを聞くなり妻は
目を見開き
「すごいじゃない!!
行って来たらいいじゃない!!」と
喜んでくれました。
その後
私が今日は何日?と言おうと
する前に
妻に異変がありました。
妻は、顔を下に向けて
「わぁあああーーーー」
「ちょっとまって~~」
「なにそれなにそれ」
「ほんとやめて、よやめてよ」
「やばいよやばいよ」と
一人で出川哲郎のような事を
言い出しました。
そう。
私が嘘だよと言う前に
妻は気付いて
タンスの中から急いで
色々な物を出す様に
妻の口から様々な
言葉が出てきたのです。
人は切羽詰まっている際に
話の流れを必死に整理する時は
多くの言葉が訳も分からず
出てくるのだと実感しました。
その後、
いろいろな感情に追いかけまわされて
目からは涙を流す妻は
最後は大笑いしていました。
と、これにて
2015年の私の復讐は終わりました。
1年に1回嘘を付いても良い日なんて
誰が考えたのでしょうね。
次のターゲットは
誰になるのかは分かりませんが
私は、この日を待ち遠しくしています。
これも望月家の次女の責任です。
最後に
勝手に嘘つきタイマーに付けてしまった
西本直先生、申し訳ありません。
今後、先生は
日本代表に声をかけられる事は
あると思いますが
私が呼ばれることは皆無だと思います。
今後も、
からだ塾で頑張って行きますので
何卒宜しくお願い致します。
これにて、望月家の話は終わりです。
チャンチャン。。。
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